①婚活は少子化と非婚化の最前線 -女性の選択、理論とその実際ー

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1-1 少子・高齢化問題とは

少子・高齢化問題とは

 

 現在、日本は、少子高齢社会である。既に論じ尽くされた感がある少子・高齢化問題だが、非婚化・未婚化と強く関連している。よって、まずは、日本の少子・高齢化についての概説からスタートする。

 少子化とは、子どもの数や人口に占める割合が減少することである。高齢化とは、高齢者の数や人口に占める割合が増加することである。現在、日本では、この2つの現象が同時進行で起こっている。よって、これらを合わせ少子・高齢化と称される。日本で少子・高齢化現象が社会問題として認識されはじめたのは、1990年代初期からだと推測される。昨今、少子・高齢化現象は、年金問題や高齢者の医療福祉、そして、子育て支援等の社会問題として、広く、また、様々なテーマに具現化され、盛んに論じられている。

 

 まずは、高齢化現象である。厚生労働省発行の令和元年高齢社会白書によると、201810月時点の日本の高齢化率は28.1%であるとされる。高齢者とは、一般的には、65歳以上の人を指す。すなわち、現在、日本の総人口の34人に1人が65歳以上ということになる。高齢化率は、1994年時点で14%程度であったが、年を追うごとに、加速度的に上昇している。

 次に、少子化である。端的に言うと、子どもの数が減少している現象である。その原因は、女性の合計特殊出生率の低下である。合計特殊出生率とは、1人の女性(1549歳)が、生涯に産む子どもの数を表す指標である。図1‐1を参照していただきたい。近年の合計特殊出生率1.4前後で推移している。最近のデータでは、2018年は1.42である。これは、女性が生涯に子どもを1人しか産まない(産めない)ケースが一般的になっていることを示している。なお、2005年を境に合計特殊出生率は、わずかながら上昇に転じている。この上昇は、公的な出生・子育て支援が整備されつつあることを反映した結果だと捉えられている。日本が現在の人口数を維持する為には、合計特殊出生率2.07必要であると言われている。

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