①婚活は少子化と非婚化の最前線 -女性の選択、理論とその実際ー

婚活にまつわる研究・言説をクソ真面目に考察します。

1-2 少子高齢化の原因は未婚化・晩婚化

少子高齢化の原因は未婚化・晩婚化

 

 一般的に、少子・高齢化の原因とされるのが非婚化・晩婚化である。非婚化と晩婚化は、少子化の原因として一括りにされる場合もあるが、当然ながら、この二つには大きな違いがある。よって、これらについて、簡単に触れておきたい。

 まずは、晩婚化現象である。これは、結婚する年齢(普通は初婚年齢とされる)が、従来と比較して、高齢になっているということである。晩婚化の原因は、女性の高学歴化や社会進出にあるとされる。詳述は控えるが、女性の積極的な社会参加が進んだ結果、社会全体として女性の結婚するタイミングが遅くなった。確かに、平均余命が延びていることを考えると、晩婚化が進んだとしても、最終的な結婚期間は、従来とそれほど変わらないかもしれない。しかしながら、子どもを産み育てるという観点からすると、女性の初婚年齢が高くなるということは、産むことができる子どもの数が減るということになる。ある程度の年齢に達すると女性の出産は、身体的に難しくなる。また、出産には問題がなかったとしても、今度は、子育て段階に問題が生じる。子どもが独り立ちするまでに親が高齢となり、子育てを全うできない可能性が高くなる。このリスクを予測し、晩婚の場合は、選択肢のひとつとして、子どもを複数もたないケースもある。

 こうしたハードルがあり、晩婚化が進むと、それにともない、出生数が減少傾向となる。その結果、少子化が進行する。

 続いては、非婚化・未婚化現象である。一言でいうと、「結婚しない」という社会傾向が強くなっている現象であるが、その実情は、単純ではない。

例えば、結婚しないことと結婚できないことは、同義ではない。ひとりの独身者を例にとってみても、その人が、どちらか一方の立場に属している場合もあれば、相手や状況によって、属する立場が一変することもある。

 データ的に考えてみても、実情の複雑さがうかがえる。例えば、現在、30歳代女性の4人に1人は未婚者である。しかし、これは、未婚女性について、パートナーとなる男性がいないということや、離婚の結果として未婚状態であるということを意味しない。さらに言うと、単身を選択しているのか否かという疑問も存在する。生涯未婚率の上昇に関しても、類似した指摘が可能である。

 晩婚化は、結婚が遅く、非婚化・未婚化は、結果として結婚しない(できない)ということである。共通点としては、ある程度の年齢になるまで結婚についての結論を出さない(出せない)ということになり、出生についてマイナスの影響がある。

 日本社会では結婚と子どもを持つことはセットで考えられている。それゆえに、非婚化・未婚化は、そのまま社会の少子化へとつながる。晩婚化と非婚化は、少子化の原因としてひとまとめに論じられるが、ここで述べたように根本的な違いを含む。