①婚活は少子化と非婚化の最前線 -女性の選択、理論とその実際ー

婚活にまつわる研究・言説をクソ真面目に考察します。

1-3 少子化対策は日本を救うことが目的

少子化対策は日本の国力改善が目的

 

 では、なぜ少子化が大きな社会問題とされるか。それは、少子・高齢化現象が進むと、日本の国力が衰退するからである。その理由は、国にとって、税収が減る一方、公的支出が増えるからである。

 1564歳の人々を労働力人口というが、この年齢層を担う人々が年々少なくなっている。日本にとって働く世代の減少は、国の税収減少と国内の生産性低下に直結する。現在は、外国人労働者の活用や高齢者雇用から新卒一括採用の再検討といった様々な側面で、労働者不足解消に向けた社会的動向か活発になっている。

 将来の労働力人口を確保すべく、日本では少子化対策として様々な政策が実施されている。一見、若年夫婦や女性の権利保護に映る少子化諸政策は、実のところ、日本の国力を維持する為になされている。数々の公的施策は、個人の権利保護を目的としてなされているのではなく、大きな目的として、少子化解消による労働力の増加を行い、将来的に国の生産力向上と税収の増額を目指してのものである。

 現在、少子化対策として非婚化・未婚化の食い止めにも目が向けられるようになった。具体的には、これまでの子育て支援に加え、男女の出会いについても公的支援が活発になされるようになった。自治体主催の「婚活」が多く開催されるようになったのである。この支援の影響については、支援そのものの年月が浅い為、効果や賛否を論じるにはもう少し時間を要するだろう。